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給排水管の更新工事|更生工法vs更新工法、どちらを選ぶべきか判断基準を解説
設備2026-01-25

給排水管の更新工事|更生工法vs更新工法、どちらを選ぶべきか判断基準を解説

給排水管の更新工事|更生工法vs更新工法、どちらを選ぶべきか判断基準を解説

概要:築30年以上のマンションで急増する給排水管の問題。管内カメラ調査による劣化診断、ライニング工法(更生)と配管交換(更新)それぞれのコスト・耐用年数・施工期間を比較し、最適な選択方法を解説します。

給排水管劣化は「見えない危機」

築30年を超えるマンションで急増しているのが給排水管の劣化問題です。壁や床の中に隠れているため、漏水や赤水が発生して初めて気づくケースが多く、「見えない危機」とも呼ばれます。管内カメラ調査による劣化診断の結果をどう解釈し、更生工法(ライニング)更新工法(配管交換)のどちらを選ぶべきかを、実務経験をもとに解説します。

このような症状が出ていたら要注意
  • 蛇口をひねると最初に赤茶色の水が出る(赤水)
  • 水の勢いが以前より弱くなった
  • 排水に時間がかかる・つまりが頻繁に起きる
  • 天井や壁から水漏れ音がする・シミがある
  • 下階から「水が漏れている」とクレームが来た

まず行うべき「管内カメラ調査」

配管内部の劣化状況を把握するために、管内カメラ(内視鏡)調査を行います。φ15mm程度のカメラを配管内に挿入し、腐食・スケール付着・クラックを映像で確認します。

管内カメラ調査で確認できること

給水管の劣化サイン
  • 管内面の腐食・錆こぶ(赤水の原因)
  • スケール(水垢・炭酸カルシウム)の堆積
  • 管壁の薄肉化・ピンホール
  • 継手部の腐食・漏水痕
排水管の劣化サイン
  • 油脂・スケールの付着・詰まり
  • 管のひび割れ・破損
  • 継手部のズレ・抜け
  • 根の侵入(屋外埋設管)

調査費用の目安

管内カメラ調査の費用は、調査箇所数・管種・管径によって異なります。一般的な50〜100戸規模のマンションで30〜80万円程度が目安です(共用部給水管・排水管の代表箇所)。この調査費用は、工法選定の判断根拠として非常に重要な投資です。

2つの工法を徹底比較

更生工法(ライニング工法)

既存の配管を撤去せず、管内部を清掃したうえでエポキシ樹脂などのライニング材を吹き付け・塗布し、管内面を再生する工法です。

メリット

  • 配管を撤去・交換しないため工事費が安い
  • 居住者の一時退去が不要(工事期間中も生活可能)
  • 内装を解体しないため仕上げ工事が不要
  • 工期が短い(1戸あたり1〜2日程度)

デメリット・適用限界

  • 腐食が進みすぎた管には適用不可
  • 管径が細くなる(ライニング材の厚み分)
  • 耐用年数は更新より短い(15〜20年程度)
  • 劣化が著しい部分は再施工が必要な場合も

費用目安:給水管(鋼管)ライニング 8,000〜15,000円/m 排水管ライニング 12,000〜20,000円/m

更新工法(配管交換)

既存の配管を完全に撤去し、新しい配管(ステンレス管・樹脂管など)に交換する工法です。根本的な解決策となります。

メリット

  • 新品配管への完全更新で長期耐久性を確保
  • 耐用年数が長い(30〜40年以上)
  • 管径の変更・ルート変更が可能
  • 腐食・スケールの問題が根本解決する

デメリット

  • 工事費が高額(更生工法の2〜3倍)
  • 内装解体・復旧工事が伴う
  • 工期が長く、一時退去が必要な場合も
  • 居住者の生活への影響が大きい

費用目安:給水管更新(ステンレス管)20,000〜35,000円/m 排水管更新(塩ビ管)18,000〜30,000円/m

工法選定の判断フロー

管内カメラ調査の結果をもとに、以下の基準で工法を判断します:

Q

管壁の残存厚さは?

元の厚さの50%以上残存

→ 更生工法(ライニング)が適用可能

50%未満、または腐食が著しい

→ 更新工法(配管交換)が必要

Q

漏水・ピンホールはあるか?

軽微な腐食のみ

→ 更生工法で対応可能

漏水・ピンホールあり

→ 更新工法が安全

Q

築年数・今後の利用予定は?

築30〜40年・まだ長く使う予定

→ 更新工法で長期耐久性を確保

築30年以下・当面は使用継続

→ 更生工法でコストを抑えつつ延命

費用比較と工事期間

比較項目更生工法更新工法
総工事費の目安(50戸)1,500〜3,000万円4,000〜8,000万円
耐用年数15〜20年30〜40年以上
工事期間(50戸)2〜3ヶ月4〜8ヶ月
居住者への影響小(退去不要)大(一部退去が必要な場合も)
内装解体不要必要(壁・床の一部)

※建物規模・管種・劣化状況により大幅に変動します。あくまで目安としてご参照ください。

まとめ

給排水管の工法選定は、管内カメラ調査の結果・築年数・予算・居住者への影響を総合的に判断して決定します。「とにかく安いから更生」「根本解決したいから更新」という単純な判断ではなく、建物の実態に即した選択が重要です。

特に赤水や漏水が発生してから対応するのでは遅い場合があります。築25〜30年を迎える前に、管内カメラ調査を実施し、早めに工事計画を策定することをお勧めします。専門家への相談はお気軽にどうぞ。

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